2021年長野県下條村で「学校が苦手な子と親の多様な学びの会やどりぎ」が立ち上がりました。
不登校の現当事者、元当事者、支援者の集まりです。月に1回親の会を開き、各家庭の様子や情報交換、自治体への要望などを話してきました。

さて「やどりぎ」とは、そもそも何?ということで、少し紹介します。
クリスマスシーズンになると見かけることの多い植物であり、ご存知の方もいるかもしれません。
樹木の上の方で、見た目は鳥の巣のような、マリモのような、丸いグリーンの可愛らしい姿をしています。
「木に宿る木」とも言われ、半寄生植物であり、花言葉は「困難に打ち勝つ」「忍耐」「克服」です。

人口の少ない地域で、学校に行けない・行かないことは、親も子も大変苦しい思いをすることが多いです。
孤独や孤立を感じることも少なくありません。当事者にならないとわからない苦しさも痛みもあります。
ひっそりと耐え忍んでいる親子も多いのです。人とは違うけれど、周りからは理解されにくいけれど、十分頑張っている人たちです。
そんな方たちのために、「半分くらいは宿主となった樹木から水分と養分をもらうけど、残り半分くらいは自分でも光合成を頑張る」といった
「やどりぎ」の特性を重ね合わせ、会になることで宿主となり、何か各々の力になれないか?という思いで名付けました。
花言葉にも、背中を押してもらえるような、素敵な意味があります。

その活動の延長として、不登校ドキュメンタリーインタビュー映画「自立への道」の種監督に出会い、上映会を行い、そのご縁もあって、
新たに「やどりぎのたね」が誕生しました。こちらは映画祭を自治体や他団体、つながりのある個人と協働する中で、子どもたちや親のさらなるつながりや多様な学びのきっかけの機会にしてもらいたいという目的があります。

「蒔かぬ種は生えぬ」の諺のように、まずは映画祭という種を蒔いてみます。
これからどんな芽が出てくるのか楽しみに映画祭に携わっていきますので、今後とも活動にご興味・ご関心をお寄せいただき、協力・協働していただける方と出会えると嬉しいなと思います。